【二十四節気の献立|立春】煮ない鍋。酒で焼く、美酒鍋。
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立春は、その土地の酒で「美酒鍋(びしょなべ)」を。
春のはじまりを、あたたかな料理と一杯の酒で迎えてみませんか。
※美酒鍋は、酒どころ・広島の西条に伝わる、酒を使った蔵人の料理。


美酒鍋と聞くと、西条の郷土料理、特別な日に食べる鍋、
少しハードルの高い料理に感じるかもしれません。
けれど本来の美酒鍋は、酒蔵で働く若い蔵人たちのための、力をつける日常のごはんでした。賀茂泉酒造の前垣さんに教えていただいたところ、美酒鍋はもともと、酒蔵の水仕事でびしょびしょになりながら働く蔵人――「びしょ」たちが食べていた料理。身体を温め、明日に備えるための、実直で合理的な一皿だったそうです。

実際につくってみると、これはいわゆる「鍋」というより、鉄板焼きに近い感覚。
「昔は、みんなで囲んで食べる料理を“鍋”って呼びよったんよ」という前垣さんの言葉どおり、鍋は“料理名”ではなく、“時間の過ごし方”だったのかもしれません。
立春朝搾りの企画で新酒を世に送り出している酒蔵の酒で、この美酒鍋を囲む。
季節の節目に、これ以上似合う食卓はない気がします。

まだ寒さの残る立春。
今年はぜひ、各地の酒で、美酒鍋を。
春のはじまりを、火と酒と食卓で味わってみてください。
前垣さん、ありがとうございました!
SATOMACHIコーディネーター
野菜ソムリエプロ
タジリチエ


〈二十四節気の献立〉立春|美酒鍋
===材料(24cmすき焼き鍋1回分)===
肉
鶏もも肉…100g(もも肉小1/2枚程度)
鶏砂肝…100g
豚バラ肉…100g
野菜
白菜…1/4切
にんじん…中1/4本(40g)
ピーマン…小2(約50g)
玉ねぎ…大1/2(約200g)
白ねぎ…1本(約100g)
板こんにゃく…1/2枚(約150g)
厚揚げ…1/2枚(約150g)
ニンニク…2片
塩・コショウ…適宜
日本酒 150〜200cc (純米酒がオススメです。吟醸酒など香りの高いお酒は不可)
===作り方===
(下ごしらえ)
- 板こんにゃく…手やスプーンで食べやすい大きさにちぎり、小鍋に水とこんにゃくを入れて下茹でし、ザルにあけておく
- 白菜、白ねぎ…すき焼きの時の大きさに切る。白菜の葉の部分は大きめに切る。
- にんじん…3mmの厚みで短冊切り
- ピーマン…ヘタ、ワタ、種をとって繊維に沿って1cm幅程度に切る
- 玉ねぎ…繊維を断つように1cm幅程度に半月切りにする。
- にんにく…半分に切り、芽をとったら厚めにスライスする
- 厚揚げ…すき焼きに使う焼き豆腐くらいの大きさに切る(2〜3cmの角切り)
- 鶏肉、豚バラ肉…食べやすい大きさに切る
- 砂…5mm程度にスライスする











(調理)
- すき焼き鍋を中強火にかけ、鶏肉・砂肝とにんにくを入れて炒め、火が通ってきたら豚バラ肉、こんにゃくを入れ塩とコショウで味を付ける。
- 肉が焼けたら硬い野菜から順に入れ、(にんじん、玉ねぎ、白菜の白い部分、白ねぎ、ピーマン)厚揚げも入れる。最後に白菜の葉の部分で蓋をするように覆う。
- 日本酒を鍋底が隠れる程度まで(130〜150ml程度)入れ、しばらく触らずに火入れする。
- 湯気が出てきて野菜がしんなりしたら鍋底をヘラでなぞり鍋底が見える程度の水分になったら上下を返すように混ぜる。必要であれば塩と胡椒で味を調えて出来上がり。
===Point===
- 日本酒はアミノ酸が多い純米酒を使いましょう。肉、野菜の旨みを日本酒が引き立ててくれ、シンプルな味付けでもしっかり美味しいです。
- 塩は少し多めに(全体量の1.5%程度)コショウはしっかり振ると良いです。
- 豚バラ肉は鶏肉と砂肝に火が通ってから入れましょう。
- 火加減は最初から最後まで中強火です。火加減の調整は必要ありません。
- 鍋底の水分が無くならない程度に仕上げます。










